さらさく

二次創作

私は確かにここにいる

私は誰かに抱き寄せられ、囁きかけられる。
夢うつつでそれを聞く。
声の主は自分の復讐を果たす使者になれば私に名を、身体をくれるという。
それらはずっと私が欲しかったもので、私は喜んでそれを引き受けた。

私に与えられた名はメアリー。
次いで壊れにくい材質で作られた、緑の目と青く長い髪をした自在に動かせる人形の身体が与えられ。
そして最後に契約を果たすツールとしての戦士、グリュンワルド。

青年と妖精が具体的な方法を伝えてくる。
やっと得られた名と身体を手放すことにならないように伝えられたことを頭に叩き込む。

説明が終わる。
そして、戦士が私を見る。
私は確かにここにいる。
言いようのない幸福感を味わいながら彼に告げる。
貴方は聖女の復讐の先兵に選ばれ、現世に蘇ることを。

驚いたことに彼はそれに興味を持たなかった。
むしろ、難色を示したと言ってもよいくらいだ。
だが、彼が存在している以上は逃れることはできない。
彼に突き付ける。
そしてグリュンワルドは諦めたように己の状況を受け入れた。

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