この拷問に等しき所業。 だが、やらなければならない……。 ソレが無謀だとわかっていても。 なぜならば、僕は中学生だからである!! 溜まりまくった宿題と授業内容プリント。 それらを相手に僕は今奮闘している。 だが、勝敗は明らかだ。 勝者、宿題。 って、これじゃダメじゃないか! どうにかならないものか……。 すると背後から突然声をかけられた。 「なにをしているの?」 「宿題という苦行さ」 「そう、がんばってね」 「でも、終わらないんだ。やりたくないんだよ」 「なら、止めれば」 「ダメだ!やらなきゃダメなんだよ」 「だったら、すればいい」 「でも・・・・・」 「ちょっとアンタたち、そこで何遊んでんのよ!特にファースト!早く終わったからってシンジをからかわない!シンジもうじうじ言わない!気が散るでしょ!」 「わかったよ・・・」 「(ち、おもしろかったのに)」 「綾波・・・・?」 こうして勉強会は行われたのでした。
たいして役に立つとは思えない授業、楽しさよりもわずらわしさが若干勝る友人たちのつきあい。 なんだってあたしが中学校なんかに通わなきゃいけないのかしら! そう声高々に叫んで拒否したかったのだけれど、ファーストとサードは文句言わずに通っているのだ。 こんな状況で一人だけ言うのは気が引けてだらだらと通う羽目になるなんて……。 ため息をつく。 なんだってあいつらは通えるのかしらね。 まぁ、アタシのように大学を出たわけじゃあないから、ていうのがあるのかもしれないけれど。 アタシたちには使徒を倒すっていう大事なことがあるのに。 ファーストにそういったら、 「…問題ないわ」 と返されるわ、サードからは 「別にいいじゃないのかな?それにミサトさんに言われたんだし」 なんていう始末。 ああ、アタシの気持ちっていうのを考えなさいよね! 「はあ……」 「アスカ、今日はシンクロテストがあるから一緒に行かない…?」 サードの一言で思考から現実に引き戻される。 いつの間に終わっていたのかしら? 「セカンド、早くしないと」 「わかっているわよ!ちょっと待ちなさい」 さっさと歩き出しそうなファーストを引き止める。 コイツとはなんとなくあわせるのが大変だし、あわせようとしないからちょっとだけ苦手。 …ここまで付き合いづらいヤツも早々いないと思うけど。 ま、おんなじエヴァのパイロットなんだからしかたないか。 そんな日のこと。ちょっと楽しかったなんて言えないけど。
アスカがドイツに帰ることになった。 理由は・・・・アスカが使徒との戦いで精神崩壊を起こしてしまったからだと聞かされた。 もちろん、それだけでないことを僕は知っている。 その事が僕のせいだということも。 事はきっと彼女と初めて会ったときから始まっていたのかもしれない。 その頃から彼女は僕に対して冷たかった。 彼女は「私がエースなのよ!あんたはひっこんでなさい!!」とかをよく言っていた。 僕は自分がエースとは思っていなかったのでいつも軽く流していた。 それが悪循環を呼ぶとは知らずに。 しばらく経って何体か使徒を倒した頃にそれが顕著に現れ始めた。 僕はその時シンクロ率も高くなり、戦闘訓練での動きも良くなってきたためネルフで訓練やシンクロテストの度に誉められていた。 レイも同じような感じだった。 唯一アスカのみが横這いの状態だった。 しかし、アスカは元からシンクロ率、戦闘訓練での動きも良かったため特に何も言われなかった。 僕は自分が誉められていることに気をよくしていて全くアスカの事を気にしていなかった。 あの時ならまだアスカも壊れずに済んだのかもしれなかったかもしれない。 しかし、時は無情にも過ぎていった。 そんな事が何回か続いていった頃、アスカのシンクロ率がだんだん下がっていった。 もちろん、使徒殲滅にも大いに影響がでた。 プライドが高いアスカはその状況が受け入れられなくて悪循環に入ってしまった。 そしてついに使徒にぼろ負けしてしまったのだ。 それもエヴァとのシンクロ率が起動数値に足りなかったため・・・・。 これを機にアスカは完全に壊れてしまった。 よって冒頭にいたる。 僕は回想を止め、アスカにお別れを言おうと病院へと向かった。 病室に入るとアスカは僕を睨みつけてきた。 なぜ?今までは視線を宙にさまよわせているだけだったのに。 呆然としている僕をよそにアスカは身を起こし、僕の首に手をかけた。 アスカは手の力を強めながら恨みごとをはき続けた。 「アンタが________だったから」 「アンタさえいなければッ」 「____________」 もう、止めてくれ____これ以上僕に罪を気づかせないで____ 誰カノ声ガスル。 「もう、サードチルドレンも使えませんね。」 「かまわない、予備など掃いて捨てるほどいるのだからな。」 「わかりました。」 アスカノ高笑イガ聞コエタヨウナ気ガシタ。 「これでアンタもおしまいよ!!」 そして僕も______。