さらさく

二次創作

後片付けはしっかりしましょう!

ガルル小隊に割り振られたフロア。
その中にあるトロロの部屋。
彼の部屋は大量のジャンクフードの包みゴミが散乱しており、見るも無残な状況になっていた。
しかし、部屋の持ち主であるトロロは一向に気にした様子ではない。
それどころかパソコンをいじりながら新たなジャンクフードを取り出している始末だ。

__その光景を目の当たりにしたガルル及びにプルル、タルル、ゾルルは絶句した。__
このような場所でもなぜ普通に行動できるのか、と。

あまりにひどすぎる事に衝撃を受けたが、このままではいけないと我に返る。
一番初めに正気に戻ったプルルが怒りを爆発させる。
それもそのはず。
看護長という任務は小隊員の健康を守ることだ。
ジャンクフードはあまり健康的な食べ物とはいえないし、なおかつ大量に食べるトロロに対して食事制限をかけていたはずなのだ。

「ちょっと、トロロ!これはどういうことなのかしら?たしか1日1個までと決めたはずだけど?どう見たってそんなペースで溜めたものには見えないけれども」
「そうっすよ、トロロ」
「・・・同・・じく・・・・」

いつの間にか復活していたらしいタルルとゾルルも同意する。

「プ~、なんだヨ。誰にも迷惑かけてないんだからいいでしょ?」

そういえば、大抵相手が引いてくれるのだが今回は違った。
「いや、片付けなさい」
「嫌だシ!」

ピリピリとした空気が場に流れる。
その空気から逃れるようにガルルとトロロ以外の3人はそっと部屋を出て行った。
おそらく全員が掃除に借り出されるのだろうと思いながら・・・。

ややあって、掃除用具を用意しようとしていた3人の前を猛スピードでトロロが外へ駆け抜けていった。

「なにかあったのかしら?」
「追う・・・か?」
「そういえば、中尉はどうしたっすかねぇ」

思案している間にトロロの姿は見えなくなっていた。

「取り・・・あえず、ガルルのところへ」
「ええ、いきましょう」

**************

いつもと違う対応をされたことがひどく頭にきた。
思わず飛び出してきてしまったけど・・・。
おそらくすぐに見つかって説教されてしまうだろう。
それほど悪いことだとは思わないのだから勝手にさせてほしかったのに。

「どこへ行こう・・・・?そうだ、アソコなら・・・きっと」

そして、1隻の宇宙船が地球へと飛び立っていった。

**************

その頃のケロロ小隊。
いつものとおりくだらない、成功率が皆無の作戦会議が行われていた。
いや、それすらもぐだぐだでめいめいが好きなことをしてとりあえず時間をつぶしているようだった。
が。

いきなり緊急警報が鳴り出した。 そして数瞬後、トロロの乗った宇宙船が基地へと降り立った。

「来たヨ~?これからしばらくいさせてもらうからネ。よろしく~プププッ」
その瞬間、ケロロ小隊になんともいえない空気がただよった。

*************

その少し前、ケロン星ガルル小隊室。
ゾルルとプルル、タルルが、錯乱状態のガルルをトロロの部屋で発見した。
ガルルの目の前・・・というか、部屋のあちこちからから不穏な気配を感じるのはなぜだろうか。
背けようとするのを叱咤して、ソレに向き合うとソコには・・・・・
少ない、とはいえない数の宇宙ゴキブリとその親玉である3まわりくらい巨大なものがいた。

「~~~~っ!」

見なければよかった。
そんな思いが2人の胸の中をよぎった。
これなら、ガルルがトロロを追いかけてこなかった理由がわかる。
つまり、部屋の主より先にそれらを目撃してしまったのだ。

*************

そんなこととはつゆ知らぬトロロ。
彼はその要求が当然通るだろうと期待した目でケロロたち(クルルは除く)を見つめた。

(((((これはやっかいだな・・・・。)))))

ケロロ小隊の中でそんなアイコンタクトが交わされた。
そして一応(一応という言葉が哀愁を誘うが)隊長のケロロにすべての判断をゆだねた小隊メンバー。
ケロロはまったくもって不本意だったが、仕方なくトロロに使っていない基地の一室を貸すことにした。
この日からケロロ小隊に悪夢の日々が襲い掛かった。
それは、ケロロのガンプラにいたずらしたり、タママのお菓子を横取りしたり、クルルの邪魔をしたり・・・・。
とにかく被害を受けなかった者は存在しなかったことは事実であった。
そして、とうとう彼らに最大の悪夢が襲いかかろうとしていた・・・・。

*************

トロロがケロロたちのところに居座って1週間がたったころ、ソレは訪れた。
そう、貸した部屋からついに恐れるべきもの・・・・宇宙ゴキブリが出現してしまったのである。

ソレを真っ先に見つけたのはモアだった。
どんな者にも嫌悪感を与えるソレを見てしまったモアはとにかくその場から逃げ出した。
基地からでたモアはひとまず一人で戻るのが怖かったので頼りになりそうな人、夏美に頼み込んで一緒に戻ってもらうことにした。

それが更なる災厄をもたらした。
基本的に虫によい感情は持っていない夏美。
ましてやそれが自分の家から出たのだ。
気持ち悪くて仕方が無く、苛立ちが沸いてきた。
ことの顛末はわからなくとも基地に出たということはボケガエルたちが原因の一つだろうと予測がつく。
怒りをたたえてケロロたちを脅し・・・違った、叱った。
身に覚えの無い小隊メンバーは理不尽な怒りを受けていた。

「いったい何が原因でこうなったでありますか!?」

すると、今までどこかに隠れていたトロロがこっそりと出て行こうとするのが見えた。

「おまえかぁぁぁ!!」×5
「ヒィィィ!」

慌てて逃げ出そうとするトロロ。
それを追いかける小隊。
あっという間にトロロは囲まれて逃げ場をなくした。

「ど~いうことであり」ピーッピーッ
「このアラームはなんだ?」
「ちっ、どうやらガキのむかえがきたようだぜぇ」
(助かった~~)

しばらくして

「皆さん、本当にご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「いえ、中尉殿が謝るべきほどではないであります」
「ほら、トロロ。迷惑をかけたのだから謝りなさい」
「ごめんなさい……」

トロロがしぶしぶという感じであったが言った。
そして、この騒動は終わった……?

**************

ガルル小隊side
「そういえばトロロ、皆で部屋を片付けといてあげたわよ」
「もうあんなのはごめんっすから今度からはきちんとするんすよ?」
「う・・・わかった・・」
「わかればいい。気をつけるようにな?」

「ちょっと待て・・・ゴ○ブリを、退治・・・した・俺への言葉・・・は?」

**************

ケロロ小隊side
「ところで・・・アレが出るほどの部屋はどうするですぅ?」
「片付けるしか無いだろうな・・・」
「えぇ~~!誰がすんの~~!」
「お前に決まっているだろう」
「そんな~~。そうだ!クルル、一発できれいにできるそう」
「ごめんだぜぇ」
「そんなぁ・・・・。そうだ!ドロロ、手伝って~~」
「隊長殿、今回限りは聞けないでござる」

結局、腐界とかした部屋を片したのはケロロだった・・・。

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